どんな状況でも感情をコントロールする方法
感情が高ぶったらまずは深呼吸
犯罪発生率が非常に高いニューヨークなどの都市では、警察官やガードマンとして勤務をする人は職業訓練の一つとして「感情をコントロールする方法」を学びます。
これは治安の悪い地区でパトロールや取り締まりをしていると、必ず相手から挑発を受けたり攻撃的な言動を加えられたりするしてしまうためです。
相手の行動についカッとなってしまうと、銃や警棒を振り回し相手を死傷させてしまったり、逆に反撃を受けて自分や仲間の生命を危険にさらしてしまうことになってしまいます。
日本においてはカッとなってすぐに銃を放たれるということはまずありませんが、それでも大切な場面でついカッとなってしまい話し合いをぶち壊しにしてしまうようなことはよくあります。
人は誰でも感情はありますから、気にしているところを突かれたりするとつい怒りや悲しみなど強い気持ちが出てきてしまいます。
そんなときには「腹が立ったら十数えよ。ひじょうに腹が立ったら百数えよ」という言葉のように一旦は冷静に深呼吸をして相手のペースにはまらないようにすることが大切です。
カッとするようなことを言われたとき、すぐに反射的に返してはただの暴言合戦にしかなりません。
相手の言葉をそのまま返すのではなくまず「なぜ怒ったか」「相手はなぜ怒らせようとしているのか」ということを考えるために一呼吸おいてみましょう。
人は感情に引きずられる動物
それともう一つ覚えておきたいのが、人はどうしても周囲の感情に引きずられやすいという特徴を持っているということです。
例えばお葬式のような悲しい席に行ったとき、周囲で大泣きをしている人がたくさんいるとついもらい泣きをしてしまいそうになります。
また舞台などを見に行って、周りの人が楽しそうに笑っているとついつい一緒になって笑いが出てきてしまいます。
それと同じで話し合いをしている目の前の相手が怒っている様子のときには自分も怒りっぽくなりがちですし、ネガティブな意見ばかり言われているとつい自分の思考もネガティブになってきます。
完全に周囲の気持ちと自分の気持ちを切り離すのは難しいので、まずは自分の感情がどこかに引きずられていないかということを自覚することから始めてみましょう。
今自分が感じている気持ちがどこから伝染したものかがわかると、それだけでも冷静な対処がしやすくなります。
感情論ではなく論理で考えるクセをつける
例えばあなたがとある街の町内会長をしているとして、ある日訪れた町民の一人から「私は足腰が弱くて歩くのが大変だからバス停を家の近くにして欲しい」と涙ながらに訴えられたとしたらどうするでしょうか。
その人が本当に困っているというのはわかるにしても、その人が「かわいそう」という気持ちだけでバス停を動かしたら、他にも「子供が小さいから」「たくさん税金を払っているから」といったそれぞれの事情ごとに対応をしていかないといけなくなります。
感情論は時に大切な原動力ですが、あまりにもそれだけを優先させてしまうと対策が行き当たりばったりになり、周囲から意志がないぶれた考えの人のように思われるようになってしまいます。
感情的に何かしたいと思ったときにはまず冷静になり、論理的に考えても同じ結論になるだろうかというふうに思い直す習慣をつけるようにしましょう。
論理的に考えてそれを実行するための要素として感情を使うのであれば全く問題はありません。